「総務やさん」第1084号

●マイナ保険証の本格利用が始まります

・・・・河合 めぐみ(かわいめぐみ)

 12月1日で従来の健康保険証はすべて有効期限が切れました。保険証の新規発行が昨年12月に停止され、「最長で1年」とされてきた経過措置が終了したためです。
 2日以降は「マイナ保険証」の利用が基本となりますが、厚生労働省は「移行期の混乱を避けるため」として、来年3月末までは、加入先にかかわらず、すべての有効期限切れの保険証も条件付きながら使用できる「特例措置」を打ちだしました。

 今年夏には、75歳以上の後期高齢者や、国民健康保険加入者の大半は保険証の期限が切れていますが、既に同様の対応が取られています。
 加えて75歳以上の人には全員、マイナ保険証の有る無しにかかわらず、来年7月まで使える資格確認書が配られています。

 結局、すべての健康保険証がこれまで通り来年3月末まで使えることになりました。が、「マイナ保険証」と「資格確認書」での受診が基本となります。

 暫定措置を重ねる背景には、マイナ保険証の利用の伸び悩みがあります。今年10月末現在でマイナ保険証を持っている人は、全人口の7割だそうです。裏を返せば、10人のうち3人が持っていないことになります。利用率はさらに低く、10月時点で37%にとどまっています。

 一方で、マイナ保険証の普及を加速させる切り札として注目されているのが「スマートフォン対応」です。

 「そもそもマイナンバーカードを持ち歩くことに抵抗があり、結局、カードを家においてきてしまった。」
 「暗証番号を忘れてしまい結局、従来の保険証で確認せざるを得ない」といった状況も少なくないのが現状です。

 このように「そもそも常にカードを持ち歩きたくない」というニーズに応えるため、スマートフォンへの対応が期待されていました。2025年9月19日から、対応機器の準備が整った医療機関・薬局で、スマートフォンのマイナ保険証利用が可能となっています。

 とはいえ、マイナ保険証としての機能を利用できるスマホの機種は限られていますので、事前にデジタル庁のウェブサイトなどで対応機種を確認しておく必要があります。