「総務やさん」第1091号

●右派政党の躍進

・・・・(株)総務システムサービス
代表取締役 伊藤 碩茂(ヒロシゲ)

 総選挙を目前に控え、参議院選挙で議席を大きく伸ばした参政党が、今回どこまで支持を伸ばすのか注目が集まっています。
 では、この動きは世界で見られる“右派勢力の台頭”とつながっているのでしょうか。選挙前に改めて考えてみたいと思います。

1.海外での報道
 参政党は「日本人ファースト」など国民優先・移民制限のような政策を掲げ、“政治の現状打破”を求める有権者の支持を集めました。
 これについて、海外メディアは「世界のポピュリズム潮流の一部として映る」と指摘しています。特に「既存政党への不満」や「反エリート・反グローバル」の要素が強い点が注目されているようです。

2.世界各地における右派・保守系勢力
 世界的に見ると、ここ数年で旧来の主要政党への不満や経済・社会の不安を背景に、保守系・右派的な勢力が存在感を増している例が見られます。
 例えば、欧州では保守政党が議会で勢力を拡大し、アメリカでは「既存政治への反発」を掲げる勢力が左右を問わず支持を獲得しているようです。
 ただ、各国の情勢により、強硬なナショナリズムもあれば中道右派が伸びる例もあるなど、幅が広いのが実情のようです。

3.「右派=世界的ブーム」という見方
 専門家は、前述のような傾向を一律の「右派躍進」現象として判断するのは慎重になるべき、という分析をしているようです。
 欧米では「右派勢力が伸びている」と見える選挙もあれば、リベラル勢力が巻き返す例もあります。「反エリート」「既存政党不信」などのポピュリズムは右派だけでなく左派にも存在すること、「右翼・極右」というラベルは国ごとに意味が異なることもあり、単純比較はできないということのようです。

 参政党の躍進は、世界の政治変動と共通する部分を持ちながらも、日本社会の不安や既存政治への不満を背景とした国内要因が大きく影響していると思われます。世界中で貧富の差の拡大が進んでいることや不安定な世界情勢が、各国一般市民の不満を募らせているのは間違いないでしょう。


●「キダルト」という言葉をご存じですか?

・・・・三島 京子(みしまきょうこ)

 2024年の東京おもちゃショー”日本おもちゃ大賞”の新部門として「キダルト部門」が設けられたことをきっかけにキダルトという言葉が報道、注目されました。
 キダルトとは、「Kid(子ども)」と「Adult(大人)」を掛け合わせた造語で、子ども向けとされていた玩具やアニメ、キャラクターグッズなどを、大人になっても楽しむ人々を指します。かつては“子どもっぽい”と敬遠されがちだった趣味が、今では多くの人のライフスタイルの一部に加わりました。このキダルト層が、今や経済を動かす存在になっているといいます。

 市場調査によると、日本国内のキダルト市場は約780億円規模に達し、約535万人がこの文化を楽しんでいるとされています。特に注目すべきは、この層の購買力ではないでしょうか。子ども時代に憧れていたアイテムを大人買いすることで、プレミアム商品や限定コラボが次々と誕生しています。

 さらに、キダルト層は「懐かしさ」だけでなく「癒し」や「自己肯定感」を求めて消費を行うと分析されています。例えば、ぬいぐるみやキャラクター雑貨を部屋に飾ることで、日常に彩りと安心感が得られるそうです。これは単なる趣味ではなく、心の豊かさを支える消費活動とも言えるのではないでしょうか。

 その波はメイクやファッション業界にも影響を与えています。例えば、アニメやゲームとコラボするコスメブランドが続々登場しています。パッケージにキャラクターをあしらったリップやアイシャドウは、SNS映えも抜群で、Z世代やミレニアル世代の心を掴んで離しません。
 特に注目したいのが「キッズコスメ市場」の急成長です。日本では2025年に市場規模が約200億円に達すると予測されており、3歳から使えるメイクアイテムが雑貨店やスーパーにも並ぶようになりました。
 カラフルなパッケージに、ラメ入りのリップやアイシャドウ。一見するとおままごとの延長のようですが、実際には大人顔負けのクオリティを誇る商品も多く、親子で楽しめる仕様が人気を集めています。親子で楽しむことで家族単位での消費の活性化にも繋がっているようです。

 キダルト文化は、今後も多様な業界とコラボしながら進化し続けていくはずです。童心を忘れない大人たちがつくりだす、新しい市場・新しい消費トレンド。次のヒット商品は、あなたの“子ども心”から生まれるかもしれません。

【参考】
東洋経済オンライン?3歳からメイク??親も一緒に楽しめる仕様に?
急成長する《キッズコスメ市場》を背景に?いま化粧品業界に起きている"異変"
https://toyokeizai.net/articles/photo/912945