「総務やさん」第1079号

●高市新総理は歴史に残る名宰相となりうるか?

・・・・(株)総務システムサービス
代表取締役 伊藤 碩茂(ヒロシゲ)

 高市新総理が10月21日に就任してから約2週間が経ちました。この短い期間でも、次々と外交や政策を進めていく積極的な姿勢が世間に注目されているようです。私個人としては、歴史に残る名宰相になる予感がしています。同じように感じる方も多いのではないでしょうか。
 ただし、それには複数の条件・課題があります。以下に、プラス要因・リスク要因を挙げながら考えてみます。

■プラス要因
1.歴史的なインパクト
 日本における「女性初の総理」という点だけでも象徴性が強く、後世に語られる要素を持っています。こういった「最初」や「変化の契機」は歴史において記憶されやすいでしょう。

2.政策テーマの時代性
 高市氏が掲げている「経済安全保障」「危機管理投資」「デジタル・AI/半導体支援」などは、現代日本・世界が直面している課題と合っています。もし成果を出せば、「その時代にふさわしい総理」と評価される可能性があります。

3.保守層からの支持基盤と党内地位
 長年にわたり自民党内で要職(総務大臣、経済安全保障担当大臣等)を歴任しており、党内での実績もあります。内政・政策実行にあたって土台があるという意味では強みです。

■リスク・ハードル
1.政権運営・連立構成の難しさ
 今回、維新との連立という新たな枠組みになりました。従来の「自公連立」から大きく変化しています。もし連立政権内で意見が対立し、政策実行や組織運営で初動が遅れると、評価が下がる可能性があります。

2.政策実行・成果の可視化
 「物価高対策」「危機管理投資」などの政策を掲げていますが、実際に国民が実感できる成果(賃金上昇、コストインフレ抑制など)を早期に示せるかが鍵となるでしょう。成果が伴わなければ「象徴的だっただけ」の総理という評価になりかねません。

3.国内外の環境・不確実性
 日本を取り巻く経済・安全保障の環境は激変しており、想定外の事態(例えばグローバルなリスク、地政学的な危機など)が評価を左右する可能性があります。総理には「危機対応」「先見性」「柔軟性」が求められ、それが欠けると逆に記憶されづらくなります。

■総合判断

「何が“名宰相”を決めるか」を考えると、以下が挙げられます。

  • 制度・構造を変える力
  • 「この人のおかげで変わった」と評価されるような実績
  • その時代に必要とされた変化を体現し、かつ将来に影響を残すこと
  • 就任直後の人気や話題だけでなく、後世にわたってその評価が残ること

 まだ首相に就任したばかりですが、高市氏は今後これらの要件をクリアしてくれるのではないか、「この人なら」という期待が抱かれるのも理解できます。歴史に残る名宰相となる可能性は十分にあるのではないでしょうか。けれども確実ではありません。これから数年でこれらを成し遂げるかによって「名宰相」という称号を得るかどうかが大きく分かれます。


●デジタルデトックスできていますか

・・・三島 京子(みしまきょうこ) 

 わたしたちは、日々膨大な情報に晒されています。スマートフォン、SNS、オンライン会議、動画配信サービスなど、毎日、何らかのデジタル機器に触れている状況ではないでしょうか。これらは便利なツールで、現代人に利便性をもたらす一方で、集中力の低下、睡眠障害、精神的疲労といった弊害を引き起こす要因にもなることがあります。

 こうした状況を受け、近年「デジタルデトックス」が注目されています。これは、意図的にデジタル機器との距離を置き、情報との接触を制限することで心身のバランスを回復させる取り組みです。

デジタルデトックスの効果は以下があげられます。

  • 認知機能の回復と集中力の向上
  • 睡眠の質の改善と疲労感の軽減
  • 情緒の安定とストレス緩和
  • 対人コミュニケーションの質の向上

 では実践するには具体的に何をしたらいいのでしょうか。
 簡単にできる内容をご紹介します。

家庭ver.

  • 就寝1時間前のスマートフォン使用を控える
  • 通知をオフにし、情報の受信を自ら制御する
  • 一定時間、SNSや動画視聴を断つ「無接続時間」を設ける
  • デジタル機器の代替として、読書や散歩、対話などを取り入れる

職場ver.

  • 昼休み中はスマートフォンを手放し、非デジタル活動を取り入れる
  • 会議の合間に短時間の「無接続時間」を設ける
  • 業務外の時間帯は業務の通知を制限し、オン・オフの切り替えを意識する
  • チーム内でデジタルデトックス週間などの取り組みを試みる

 情報との健全な距離感を保つことは、長期的な業務パフォーマンスと個人の健康維持に直結します。デジタルを完全に手放すことはできませんが、電車に乗っている時、友人を待っている時間など、ふとした瞬間にスマホを見ないだけでも新たな気付きがあったり、新しい出会いがあったり、様々なポジティブな効果を体験することが出来ます。
 まずは、1日15分からで構いません。意識的に「つながらない時間」を設けてみてはいかがでしょうか。