総務やさん

「総務やさん」第812号

忘年会スルー    ・・・・使命感の醸成を目指して・・・・
             ・・・・(株)総務システムサービス
                  代表取締役 伊藤 碩茂(ヒロシゲ)
 
 昨年末は忘年会スルーがある種のブームとなりました。
 上司が飲みに誘えば、「残業手当出ますか」と答えるというジョークが流行
ってから20年位経過した感がありますが、今やジョークではすまされません。
 社員旅行・歓送会など、会社行事や上司の誘いも含め、自分の嗜好に合わな
い行事はすべて欠席する。一方、SNSなどのコミュニティには一面識もなく
ても参加する。若い世代を中心に広がりつつある、ライフスタイルや職業倫理
の多様性に、対応力を持たない企業は成長どころか存続さえ危うくなります。

 上昇志向や出世欲を喚起して、モチベーションを維持しようとする古典的試
みは、今後は悉く失敗することが予想されます。本来、仕事の実績・成果のみ
で人事考課の評価はされるべきです。
 ところが、例えば、筆者が社会人になりたての40数年前、”営業”という
職種は、客先接待や社内融和のため「ゴルフ・麻雀・酒」は必要条件でした。
この3点ができない場合は、営業マンとしては、不適格の烙印を押されました。
この観点から、女性は総じて、営業には向かないとされたのです。

 この習慣は、筆者の認識では、古い業界ほど残っているようです。しかしな
がら、仕事の多様性もさることながら、趣味嗜好、価値観や人生観の多様性は、
極限に近い状態です。このような状態では、あらゆる組織・団体のメンバーの
暗黙知や行動を含めて、それらを統一することは不可能に近いものがあります。
 
 更には、働き方改革の真っ只中である現在、労働者のプライベート時間を何
らかの拘束力を持って縛ることは厳に慎まなければなりません。
 かつて日本がアジアで唯一先進国の仲間入り(その立場も危うくなっていま
すが・・・)を果たせた要因の一つに、中小企業の育成に成功したことがあり
ます。
 その基盤は、江戸期の幕藩制度とそれから派生する”家”制度にあります。
つまり、組織、グループの凝集性とダイナミズムは、日本的封建制に依存して
います。ところが、今やそれに強く頼ることはできませせん。

 日本的封建制に代わるものは、仕事への使命感です。それを失えば、”仕事
スルー”です。


AIって?! つづき
                     ・・・・小田 忍(おだしのぶ)

 前回は、「かつてのAI」について、日本がフロントランナーだったころの
話をしました。今回は、現在のAIについてまとめてみます。前回同様、AI
の専門家からの聞きかじったことをまとめています。

 「かつてのAI」と「現在のAI」は別物であるという話をしました。では
現在のAIはどのようにして生まれたのか見てみたいと思います。「かつての
AI」の時期に遡ります。

 「かつてのAI」当時は「ニューラルネットワーク」の研究開発においても、
日本はフロントランナーだったといって差し支えない状況だったそうです。
 「かつてのAI」が記号処理をベースにしている為に不得手とするパターン
認識や処理を、ニューラルネットワーク研究が担っていました。有名なニュー
ラルネットワークとしては東大・中野先生の「アソシアトロン」、阪大・福島
先生の「コグニトロン」・「ネオコグニトロン」、あるいは理論研究では、東
大(現・理研)甘利先生の手による名著「神経回路網の数理」といったものが
挙げられます。

 当時、日本を除く世界ではニューラルネットワーク研究は冬の時代を迎えて
おり、のちにカリフォルニア工科大の物理学者ホップフィールド教授がTSP
(巡回セールスマン問題)をニューラルネットワークで解くことが出来たとい
う論文が発表されるまで、停滞したままでした。

 ということは、研究成果の伝承や研究資金の継続があれば、恐らく今でも日
本がフロントランナーでいられた可能性が高いわけです。

 ニューラルネットワークについての詳しいことは、とても私ではまとめきれ
なかったので、割愛させていただくことにしましたが、今、AIと呼ばれてい
るものは、実はこの「ニューラルネットワーク」のことで「かつてのAI」の
ことではないとのことでした。

 AIやニューラルネットワークは何度もブームと停滞を繰り返しており、今
回も一過性のブームで終わる可能性がゼロではありませんが、現在のAI研究
には、かつてと決定的に違うところがあります。その違いのおかげで自動運転
などの、いわゆる実用システム開発につなげることが出来ています。

 次回は、AIを取り巻くものについてまとめたいと思います。