総務やさん

「総務やさん」第819号

世界大恐慌の再来?
             ・・・・(株)総務システムサービス
                  代表取締役 伊藤 碩茂(ヒロシゲ)
 
 1929~33年の間、世界中の資本主義諸国を史上最大規模の恐慌が襲い
ました。
 1929年10月24日、ウォール街の株式市場の暴落(暗黒の木曜日)に
端を発した恐慌は、全世界に波及しました。米国の株価は80%以上下落、工
業生産は1/3以上低落、失業者数1200万人、失業率25%。1929~
1932年の間に世界貿易は70.8%減少、失業者は5000万人に達しま
した。各国は封鎖的な経済圏を作り始め、世界経済はブロック化し、第2次世
界大戦の原因にもなりました。

 今回のコロナウイルスの世界的蔓延は、その治療法とワクチンが開発されて
いないため、人々の行動、特に経済活動を極端に制限することななり、大規模
なリセッション(景気後退)が現実となりつつあります。つまり、医療崩壊が
避けられても、経済の崩壊は避けられそうもありません。

 1929年の大恐慌、戦後のオイルショック、バブル崩壊、リーマンショッ
クも、すべて、資本主義経済が持つ構造的破綻でした。今回は、未知のウイル
スのパンデミックによる大恐慌という、歴史的に類を見ないものになりそうで
す。
 1929年の大恐慌の再来となれば、経済はブロック化し、各国は、やや鎖
国化することが予想されます。日本は、無資源国のため、江戸時代の鎖国制度
を復活させることはできません。しかし、経済”成長”を放棄し、”豊かさ”
の概念を転換すれば、ブータンに匹敵する幸福な国になれそうな気がするので
すが・・・。

 このような沈静化した後の楽観的見解は、厳しいお叱りを受けそうです。資
本主義の権化のようなトランプさんが、非常事態宣言を出しました。1929
年の大恐慌時のアメリカ大統領は、歴史学者が無能の烙印を押しているフーバ
ーでした。大恐慌からの脱出は、ニューディール政策を実施したルーズベルト
まで待たなくてはなりません。果たしてトランプさんはどうでしょうか?


AIって?! さらにつづき
                     ・・・・小田 忍(おだしのぶ)

 前回は、初期のニューラルネットワークのついて触れました。今回はAIを
取り巻くものについて考えてみます。前回同様、AIの専門家からの聞きかじ
りをまとめています。

 現在のAI研究は、かつての研究と決定的に違うところが2つあります。

 ひとつはハードウェア価格の低下です。ICOT時代のハードディスクとい
えば、パソコン用でも10MBや20MBで20万円くらいしていた頃です。
研究用にギガバイト(1GB=約1000MB)単位の容量を確保するには、
洋服ダンスほどの大きさの装置が必要で700万円くらいしたそうです。まだ
まだ記憶装置の高価な時代でした。
 今や個人用のパソコンでもテラバイト(1TB=約1000GB)の容量が
手に入りますし、大型の装置であればペタバイト(1PB=約1000TB)
単位の容量も確保できます。容量単価として当時と現在を比較しても桁違いに
安くなり、大量のデータを簡単に格納できるようになりました。

 もうひとつはインターネットの発展によりビッグデータを収集することがで
きるようになったことです。多様で大量の学習データを収集でき、それを格納
することも可能になったため、ニューラルネットワークの学習速度が速くなり
精度も急速に高くなりました。
 例えば、Googleのサービスだとクラウド上で自動的に写真を整理して
くれますが、これは写真同士の類似性を計算することで実現しています。
 これらの違いのおかげで、AI研究を実用システム開発につなげることがで
きているということです。

 さて、これだけAIが発展し日常に浸透してくると、こんな言葉がよく聞こ
えてくるようになりました。
「人間の仕事がAIに取って代わられる」
この点についてどう思うかも聞いてみました。

「能力の低い専門家はAIに取って代わられるだろうが、実力のある専門家は
業務が集中して、淘汰がおきるのではないか。資格を持っていたところで、勉
強をおざなりにしていればピンチになるだろうし、努力を続けてきた人にとっ
てはチャンスとなるのではないか」

「今の『AI』は、簡単に言えば膨大なデータ同士の相関を見ているのであっ
て、因果関係まで把握して処理しているわけではない。例えば、一見無関係な
事柄同士に相関が高い場合に、AIはその理由を説明してくれない。人間には
『何故か』を説明することができる。しかし、説明するには十分な実力と、深
い洞察力を持ち合わせていないと難しい。だからピンチでありチャンスでもあ
る。」

「そして、時にはAIが提示した答えを、十分な根拠のもとに自信をもって否
定する必要があるかもしれない。これは中途半端な実力の持ち主では難しいと
思う。」

ということでした。

 今回の聞きかじりはここまでです。またいろいろ聞いたらまとめてみたいと
思います。