総務やさん最新号

「総務やさん」第717号

アルバイト先で突然の所持品検査?
                 ・・・・後藤 佳代子(ごとうかよこ)

 先日、娘の友達が我が家に泊まりに来ていたのですが、その時の会話で、ち
ょっと気になる話題がありました。

 彼女によると、『アルバイト先で、店長から突然、所持品検査しますって言
われてバイトだけ集められ検査があってたの。何かよくわからないけど鞄の中
とロッカーを見られ、嫌な感じだったからバイトを辞めちゃったの・・・。特
に高額なモノがなくなったわけではないけれども、たびたびモノがなくなるか
ら、盗難対策と確認として検査するってことだったんだけど、疑われてるみた
いで嫌な感じがしたから、バイトの子みんなで辞めちゃったの・・・』という
ことでした。

 会社が従業員に対して行う金品の不正隠匿防止の為の所持品検査は、従業員
の基本的人権を侵害する恐れがあるため、一定の制約のもとで行われる場合で
なければ違法とされています。

 では、所持品検査が許される場合とはどんな場合なのでしょうか?

(1)所持品検査を行うことに合理的な理由があること
(2)一般的に妥当な方法と程度で行うこと
(3)制度として従業員に画一的にすること
(4)就業規則などに明示された根拠によること

 これらの条件を満たしていれば、代替手段が全くないとはいえないときであ
っても、従業員は特別な事情のあるとき意外、検査に応じる義務があるとされ
ています。

 実施の方法については、業務と関連性のない私物を検査したり、身体検査の
ように従業員に多大な屈辱感や侮辱感を与える方法で実施された所持品検査は
違法と判断された事例があります。一方で、従業員から個別に同意を得た範囲
で実施する所持品検査については人権侵害の問題は生じません。

 今回のケースを考えてみると、置き忘れや返却漏れなど、故意によらない紛
失も十分に考えられますから、経営上、所持品検査を実施する合理的な理由が
あるとまでは思われません。
 また今日の従業員の気質を考慮しますと、所持品検査は、実施する方法によ
っては、会社と従業員との間の信頼関係に悪影響を及ぼすことも想定されます。
 まさに娘の友達がこのパターンです。

 まずは日々の商品・備品管理を徹底するなどの代替措置をとり、所持品検査
については補完的な措置として、改めて方法と程度を検討した方が良いのでは
ないでしょうか。
 人手不足が続いております。
 アルバイトといえども貴重な労働力を信頼不足で失ってしまうのは、もった
いなぁと思います。