総務やさん

「総務やさん」第893号

総選挙の結果を見て
             ・・・・(株)総務システムサービス
                  代表取締役 伊藤 碩茂(ヒロシゲ)

 今回の衆議院議員総選挙は、自民党の単独過半数維持、自公で安定過半数維
持という結果に終わりました。立憲と共産の共闘はうまく結果を出せなかった
ようです。
 
 筆者は、保守地盤の強い地域で幼少期を過ごしました。当時は、保守にあら
ずんば人にあらずと言わんばかりの状況でした。野党はやや右寄りの政党、左
寄り野党と共産党支持者は変わり者扱いされた時代でした。
 その後、高校大学時代は70年安保で見事に新左翼の洗礼を受けましたが、
しかしながら優柔不断なノンポリだったように思います。アナーキズム(無政
府主義)に憧れを持っていた頃もありました。ロシア革命後、後に独裁者とな
るスターリンの指示によってトロツキーが暗殺されたことを知った時には、シ
ョックを受けた記憶があります。

 イデオロギー対立による政治的闘争は、遠い昔の話になってしまいました。
世界の潮流は変わってきているような気がします。筆者には、コミュニズムで
は人類の幸福に貢献できず、一方資本主義は格差を拡大するのみになっている
ように感じられます。また、新資本主義と称しても、硬直した利権構造にメス
を入れることはなかなか難しいだろうと考えています。
 ただ、このような中でも、ベーシックインカムのような欧州社会民主主義に
端を発する思想が日本に広がりつつあるのは、喜ばしいことだと思います。

 また、今回の衆議院議員総選挙で目を引いたのは、維新の4倍増という躍進
です。大阪府の吉村知事が高く評価されたことが、主な要因と思われます。

 日本における地方自治の首長は、国家でいえば大統領に近く、非常に強い権
限を持っています。従って知事や市町村長は、議会や国・上位首長を一時的に
敵に回しても、自らの信念を貫いてある程度物事を遂行することができます。

 維新は出発が地域政党のため、日本独特の”根回し”とは比較的縁遠いはず
です。調整型の政治やマネジメントより、強い指導力を求められている時代な
のかもしれません。


過労死等防止啓発月間(1)
                  ・・・・山中 一(やまなかはじめ)

 11月になりました。師走まであと1か月となり、慌ただしく過ごしていら
っしゃる方も多いのではないでしょうか。納期の近い仕事をいくつも抱え、気
づいたら深夜まで残業の日が続いている……という方もいらっしゃることと思
います。最近しっかり眠れていますか? 食欲はありますか? 何にも興味が
持てない等無気力に陥っていませんか?

 厚生労働省では11月を「過労死等防止啓発月間」として、さまざまな啓発
を行っています。

 海外でも「Karoshi」として認知されている日本の過労死ですが、過
労死等防止対策推進法では以下のように定義されています。

・業務における過重な負荷による脳血管疾患・心臓疾患を原因とする死亡
・業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする自殺による死亡
・死亡には至らないが、これらの脳血管疾患・心臓疾患、精神障害

 今回は新型コロナ禍における過労死の危険性、心身のストレスについて見て
みましょう。

 以前に比べると、在宅勤務を採用する会社も随分増えました。すし詰め状態
の通勤電車から解放されてストレスが軽減されたという人もいれば、逆に在宅
勤務と自粛によって人とのふれあい・会話が極端に少なくなったことで孤独に
よるストレスが溜まっているという人もいるようです。人によって、何に大き
なストレスを感じるかは異なります。しかし、在宅勤務の場合、労働者本人も
気づかない肉体的な負荷がかかっていることがあります。

 まず、会社に通勤している時に比べて、在宅勤務の人は運動量が減少する可
能性が高くなります。日常的に運動する習慣のある方は問題ありませんが、パ
ソコンの前から一切動かないような人の場合、30分~1時間ごとにこまめに
立ち上がったり、休憩時間には軽いストレッチをする等意識的に体を動かし、
血行をよくすることが大切です。血栓や腰痛のリスクに注意しましょう。

 また会社側からの視点としては、勤務時間の管理の問題も重要になります。
勤怠システムなどでパソコンの稼働時間が管理できていれば問題ないのですが
誰にも止められらないのをいいことに、深夜まで区切りなく長時間労働をし続
ける人がいるようだと要注意です。長時間労働と過労死リスクは関連性が高い
という研究結果も出ています。管理者は、部下がどのように何時間働いている
のか、健康状態等をチェックすることが大事です。

 管理職の方は、部下や同僚がどんな環境で仕事をするのが一番ストレスがな
いのか、仕事中に自分で適宜休憩を入れられるタイプか等、仕事のスタイルに
ついて事前に聞き取りをしておくのもよいかもしれません。

 次回は、会社による健康管理と環境づくりの重要性についてご紹介します。

参考:厚生労働省「過労死等防止対策」ページ
URL :https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000053725.html